インドアバイクがなかなか良いという話

7月のある日、インドアバイクを買った。Amazonで。
コンパクトなやつ。合わせて、サドルカバーと下に敷くマットも買った。
全部で約1万5千円。


ALINCO(アルインコ) クロスバイク4415 AFB4415

この値段をどう見るか。フィットネスジムの会費でいうと、2ヶ月分ぐらいか。
買う前に、粗大ゴミに出す費用も確認した。1,000円。よし。続かなかったら捨てることができる。もらってくれる人がいれば譲ることもできる。

そんなふうに逃げ道を確認しながら買ったのだから、最初からやる気満々だったわけではない。
だがーー。

すばらしかった。

もともとは、トレッドミルのような、走るためのものを探していたのだ。
昔、ジムに行ってた頃(続かなくて合計10回も行ってないが)、歩く・走る系のマシンはよく使っていたが、自転車系はやったことがなかった。なんとなく大変そうに思えた。大変なのは良いことだとその頃は思えなかったし、ふつうの自転車でよく転ぶ人としては単純に苦手意識があった。自転車に乗るのは運動神経にすぐれた人たちの特権だと思っていた。

しかし、家庭用トレッドミルを調べていると、インドアバイクのほうが良いよという記事がしばしば出てくる。
省スペース性と、静音性において、インドアバイクのほうが完全にすぐれていると。しかも値段も安い。もちろん良いものは高いが、安いものでもちゃんと使える。
大きなプラス得点だったのは、ランニングは膝や足首などの関節、足の裏などに負荷がかかるが、自転車ならばそれが軽減されるという事実だ。私はその少し前に足首を捻挫し、なかなか全快できず、走るのに不安を持っていた。

そして、この2ヶ月インドアバイクを使ってみて、それらの特長は正しいと証明された。

省スペース。私は仕事部屋の片隅に置いているが、邪魔にならないし、圧迫感もない。おりたたみタイプを買ったけど、折りたたまずいつでも乗れるようにしている。

音も驚くほど静かだ。Podcastを聴いたり、Huluや仕事関連の動画を見たりしながら漕いでいるが、音が邪魔だと思ったことはない。マットを敷いているせいか振動もない。夜行性の人にもってこいだ!

足首も膝も痛くならない。ついでに言うと転ぶ心配も、交通事故の心配もないから、本だって読める(でも難しい本は読めなかった。中・高強度の運動中は、理解力が低下するらしい)。

いつでも好きなときに気軽に運動ができるという環境はすばらしい。
私は一年中花粉症なので、これまでは、マスクしてウォーキングしていたこともあったし、花粉のひどい日は外に出れないとか、雨・雪・猛暑とか、そもそもプチひきこもりだから外に出ることそのものにハードルがあるとか、とにかくいろんな要素が私の運動したい気持ちを阻んでいた。それが取り払われたのだ。仕事中、振り返ればそこにインドアバイク。

もちろん短所はある。大きくふたつ。

ひとつは、「風を切って走るのが気持ちいいー」というような感覚が感じられないこと。これは致し方ない。いつかVR的なテクノロジーがこの問題を解決してくれるのを、首を長くして待つ。

もうひとつの短所は、気軽に買える値段の家庭用のインドアバイクは、負荷があまり高くないことだ。ジムに置いてあるような本格的なものとは、負荷をかける方式が違うらしい。
私が買ったものも、運動不足の私にはちょうど良い負荷だったが、ふだんから運動している人には物足りないだろうと思う。乗り比べたことはないので、私の使っているモデルが特別負荷が低いという可能性も捨てきれないがー。実際、何も考えずに漕いでいると、心拍数もある程度までしか上がらない。積極的に自分を追い込んでいく必要がある。

インドアバイクしてるとき、もちろん、私の手首にはApple Watchがあり、Zonesで記録をしている(ここは宣伝乙です☺︎)。
Zonesがあると、リアルタイムに心拍数・運動強度・心拍ゾーンを確認しながら運動できるので追い込みやすい。足だけを使うより、腕の振りも加えると運動強度があがる、とか、一度あがったら腕を振らずいても維持できる、とか、30分近くなると強度が高くてもなぜか楽に漕げる、とか、そういった知見がたまっていく。

たまにHIIT(高強度インターバルトレーニング)のまねごとで、20秒死ぬ思いで全力で漕いで、その後40秒はふつうに漕ぐというセットを繰り返すトレーニングをやるのだが、心拍数が高強度のゾーン(Zonesで言う「無酸素ゾーン」)に入るのを確認するとき、毎回、ささやかな達成感を感じる。
ちなみに、私には屋外ランニングでHIITできる能力はまだないと思う。たぶん転ぶ。そもそも近くに全力疾走できるような場所がない。

ここで言う運動強度というのは、「現在の心拍数が、自分の最大心拍数の何パーセントか」という値で、なぜそれが大切なのかといえば、安全に自分の目的にあった運動をするためだ。
私の目的は、おおざっぱには「体力向上」だが、そのまわりにはカロリー消費したいとか、筋肉つけたいとか、ストレス解消とか、花粉症が軽くなるといいなとか、いろいろとある。そして調べていくと、有酸素運動に高強度の運動を取り入れるのってかなり有効なのだ。

たとえばカロリー消費量。基本的に、心拍数があがるほどカロリー消費は増えていくのだが、高強度の運動をした場合は運動後もカロリーが燃え続ける。アフターバーンと呼ばれている。そのあたりの研究結果でいろいろとすごい値が出ていて、まるごと信用はしないとしても、ちょっとは期待していいものだと思う。

それから運動は脳に良いという話があって、有酸素運動を基本として、高強度の運動や複雑な動作をまぜるとさらに良いと。詳しくはこの本を読んでほしいのだが、記憶力・やる気・集中力の向上や、不安やうつに良い、免疫力向上に良いというようなことが研究結果やエピソードを交えてしつこいぐらい書いてある。運動したい気持ちを高めるのにもってこいの本だ。

何か心乱れることがあっても、ああ、運動すれば気持ちが落ち着くから大丈夫ー、と思えるのは、大変心強い。
そして、運動をすることが、つらい、罰ゲームのようなことではなく、楽しみになっていったりもする。