Flaskの新iPhoneアプリ「FitPort」のこと(iOS 8 ヘルスケア対応)

9月の終わりに、Flaskから新iPhoneアプリ「FitPort ヘルス&フィットネスダッシュボード」をリリースしました。
予想外に注目されワーッとメールをいただきまして、返信に追われていたのですが、やっと落ち着いてきましたので、ブログをようやく。

FitPort 画面ショット

FitPortはダッシュボードアプリ

FitPortは、iPhoneの「ヘルスケア」アプリに保存されているデータをわかりやすく表示するダッシュボードアプリです。
ヘルスケアとは、iOS 8で新しく追加されたiPhone標準のアプリで、健康とフィットネスに関するデータを保存・表示できるもの。我々デベロッパはHealthKitというフレームワークを使って、書き込みや読み出しができるアプリを作ることができます。
そしてFitPortは、ヘルスケアからデータを読み出し、もっと見やすく、使いやすくしたアプリ、と思ってもらえると良いと思います。

今、どんどんヘルスケア対応アプリがリリースされ、ヘルスケアへ自分の健康&フィットネスのデータを集められるようになってきています。
そのデータのうち、フィットネスに関連深い項目を、FitPortで見ることができます。
現在対応している項目は、以下の8種類。今後も、フィットネスや身体測定値のカテゴリをメインに増やして行く予定です。

  • 歩数
  • ウォーキングとランニングの距離
  • 上った階段数
  • 自転車の走行距離
  • 活動カロリー
  • 摂取カロリー
  • 体重
  • 体脂肪率

誤解されやすいところなのですが、FitPortそのものでは、何も計測していません。
iPhone 5s以上の端末なら「歩数」と「ウォーキングとランニングの距離」が計測されているので、それをFitPort上で見ることができます。iPhone 6/6 Plusではさらに「上った階段数」も出てきます。
そのために、ヘルスケアやFitPortをバックグラウンドで動かしておく必要はありません。つまりバッテリーにもやさしい。

iPhone 5sの人はiOS 8を入れたその日から、iPhone 6/6 Plusの人は端末を起動したその日から、データが記録され始めているはずなので、FitPortを入れてすぐにデータを見ることができて、少し楽しくなれると思います。

自動で計測されない項目については、手動で入力するか、ほかのアプリからヘルスケアにデータを保存し、それを表示させることができます。
つまりiPhone 4S/5/5Cの人でも、ほかのヘルスケア対応アプリを使うことで、ヘルスケアにデータを送り、それをFitPortで見ることができます。
アプリだけでなく、ウェアラブルデバイスもどんどんヘルスケア対応してきているようなので今後が楽しみです。
(ヘルスケア対応、Health対応、HealthKit対応と書かれていたりしますが、同じことを意味します)

ほかのヘルスケア対応アプリについては、個人的な大本命であるWithingsのアップデートがまだ出ていないので、またあらためてブログに書きたい所存であります。

実は、iOS 8のスタートと同時に、FitPortと同じようなコンセプトのアプリがいろいろ出るのではないか、と思っておりました。
ですが、「見る」ことが主体のアプリは今のところ見当たりません。HealthKit利用時のプライバシーに関するガイドラインが厳しいから、減って行ったというのはあるかもしれません(ちなみにFitPortでは健康データはどこにも送信されないし、勝手に使われることはありません。アプリ内にすら保存しておりませんので安心です)。
しかしそのうち似たアプリも増えてくるでしょう。なぜなら標準アプリのヘルスケアが使いにくいから。たぶん、ヘルスケアは使いやすさは置いといて、データの管理場所としてがんばっているのだと思います。よし、FitPortは見やすさ、使いやすさをがんばります。

FitPortの特徴

実は、はじめから、ヘルスケアアプリをリプレイスするアプリを作ろう、と思って作り始めたわけではありません。
はじめは、体重記録アプリのPopWeightに歩数とか消費カロリーを表示したい、というところから始まり、自分たちの見たいデータをいかに見せるかということを考えてたら、いつのまにかこうなっていたという感じです。
ヘルスケアアプリも、Betaのバージョンが進むうちにもう少し使いやすくなるのかと思っていたのですが、ならなかったので、FitPortの存在意義からすると、ある意味幸運と言えます。そこはそんなに期待していなかった。

FitPortの特徴はこんな感じでございます。

  • ヘルスケアからデータを読んでわかりやすく表示
  • シンプルなダッシュボードで全体をパッと把握
  • ダッシュボードは表示項目の数によってきれいにフィット(6個までは画面内におさまる)
  • ゴールが設定でき、その進捗がわかる
  • 最高記録や、どの曜日が良かったか、などのスタッツがちょっと楽しい
  • アドバイスや応援ではなく、数字やグラフで楽しめる
  • 画面遷移するときの動きがスムーズでちょっと楽しい
  • 詳細画面では、日単位、週単位での推移がグラフですぐにわかる(歩数やカロリーなどを記録アプリでは、一般的に、その日の時間単位のグラフを第一に見せているが、私はそれがずっと不満で、とにかく日単位の推移がすぐに見たかった)
  • グラフ長押しで、その日のトータル値と増減が見れる(なぜかヘルスケアではできない)
  • 単位の変更ができる(なぜかヘルスケアではできない)
  • FitPort上で手入力することもできる(体重・体脂肪は手入力の人も多い)

iPhone 5s/6/6 Plusで自動で測れるデータを見るのを楽しむアプリとして使うこともできれば、体重と体脂肪を記録するダイエットアプリとして使うこともできます。
私は、今のところ自転車走行距離と体重を表示オフにして、ほかの6項目を表示させて使っています。
歩数・距離・階段数は、iPhoneの計測から表示、摂取カロリーはMyFitnessPalから表示、消費カロリーはHumanから表示させています。体脂肪はWithings Health Mateのヘルスケア対応待ちなので、今はテストもかねて手入力。
本当は体重も置いておきたいけど、FitPortの中の人としては、誰かに見せるシチュエーションがときどき発生するので、表示オフ。見せられる体重になりたい。FitPotで!

リリース後に起こったこと

リリースは9月26日金曜だったのですが、FitPortが出たのが、ほかのヘルスケア対応アプリより少しだけ早かったため、幸運にもたくさんのメディアに掲載されました。
9to5Macを皮切りに、MacRumors、TUAW、Business Insider、Mashableなどなど、Mac系、Tech系の有名メディアがFitPortに言及してくれました。HealthKitスタートのニュースの記事に「初めてのHealthKit対応アプリ」として紹介されているわけなのですが、スクリーンショットも載っていてとてもありがたい、とても幸運なことでありました。

ただ、それは日本時間で金曜の夜のできごとでしたので、そのニュースは日本ではほとんど記事にならず、現在までのダウンロード比率では、米国が46%でダントツ、日本は4%です。日本人が作っているのに少し寂しい感じです。
あるいは、この差は、もしかしたら米国のテックとヘルスケアに寄せる関心の高さなのかなという気もします。

メディアに掲載されたのはそういった幸運ゆえなのですが、その後、米国のApp Storeで「Best New Apps」としてフィーチャーされました。トップページにアイコンを見つけて大興奮。米国のApp Storeは競争激しく難関ですので、とても嬉しいできごとです。これは幸運もあれど、アプリそのものが評価された結果であると素直に受け止めようと思ってます。

ドキュメントも情報も無い状態で、コード書きながら調査して、推測して、私のUI案に的確なツッコミ入れ、どんどん進めてくれたエンジニアのaqubiさんがやはり素晴らしかった。いつも素晴らしいんだけど、ますます素晴らしかった。aqubiさんでなければこんな良いタイミングで出すことはできなかったと思います。
ちなみにFitPortはSwiftで書かれています。限られた時間の中、新フレームワークに新言語で挑むとかチャレンジャーすぎてかっこいい。

さて、キャッチーなリリースブログを書きたかったのですが、お腹いっぱいだからか、感想文みたいになっております。
FitPortがワーっと話題になったとき、心労で2kgやせましたが、昨日1kg戻りました。明日は元通りかもしれません。

FitPort、よろしくお願いします。
iPhoneでApp Storeを見ると、動画(App Preview)も見れます。
もし、既に使っていただいている方がいらっしゃったら、もしももしも良ければ、App Storeでひとことレビューを書いていただけると大変ありがたいです。星だけでも励みになります。

FitPort ヘルス&フィットネスダッシュボード