iPad読書生活、本をPDF化して読む

楽天koboが本日15時OPEN、ってことで、ちょっと期待しちゃっておるのですが、この長い、電子書籍普及への過渡期の中で私がどう過ごしているかを「iPad読書生活、私の場合」に続いてもう少し書いておく。

今現在「読書はほとんどiPadでーす。電子書籍ラブ」と言ったとて、電子書籍になってない本はどうするの、それはもうPDFにするしかないわけです。私は昨年、書籍の裁断&スキャンを代行してくれるサービスにお願いした(いわゆる自炊代行サービス)。
本棚にギュウギュウ詰め込まれていた本たちを、まず100冊ぐらいまで減らし、そのうち、PDF化したいものを厳選し、64冊を自炊してもらった。

ちなみにPDF化「しなかった」書籍:
・紙の書籍としてとっておきたい大切な本
・形状や紙質的にPDF化できない本(業者ごとに違うとは思うが、A4以上のサイズのもの、カラーでつるつるの紙などは対応してなかったりする)
・まだ読んでいないけど、読んだらすぐ捨てるつもりなので、お金かけてPDF化するほどではない本(小説や新書、流行系の書籍)

2011年当時、金額は以下のような感じだった。
現在は変わっているようなので、ゆるくご参考にー。

実際の本の数 64冊
料金計算上の冊数 84冊(350p以上ある書籍は200pごとに +1冊)
スキャン代金 100円 × 84 = 8,400円
(オプション)表紙スキャン 90円 × 64 = 5,760円
(オプション)OCR 100円 × 84 = 8,400円
(オプション)ファイル名変更 50円 × 64 = 3,200円
合計(税込) 27,048円

PDF化した書籍は読みやすいのか?

さて、問題は「読みやすいか」である。
このPDF化ってつまり、書籍を裁断して、スキャナで取り込んでPDFにしているってことなので、当然ながら文字は紙ほど美しくは見えない。データから書き出されたPDFとはまるで違うものだ。
最初に見たときは少しばかり落胆した。頭ではわかっていても、なんとなく「よくあるPDFドキュメント」のようなくっきり読みやすい文字を期待してたんだと思う。
だが裁断してPDF化した文字というのはテキストではなく画像だ。粗いし、たまにやや斜めになっていたり、うっすら裏写りしてるものだってある。
しかもファイルが重い。高解像度でスキャンしてくれているので、1冊が100MB以上のものもある。そういうファイルは、iPadのiBooksなどで開くとページの読み込みが遅くて読めたものではない。しかも文字は、まあまあきれいではあるが細くて読みにくいことが多い。

対処としてはPDFをiPadで読みやすいようにチューニングすることがひとつ、もうひとつは、PDFの表示が早いリーダーアプリを利用するのが良いだろう。
そういった対処をとれば、iPadで自炊PDFを読むのは快適なものである。
紙の書籍より字は粗い。そこは完全に劣るものの、トータルでの読書体験で自炊PDFは勝利するのだ。少なくとも私にとっては。

ちなみに今、久々に紙の書籍(文庫本)を読んでいるけど、手がすべるとすぐに閉じるし、自分で立っててくれないし、暗闇で読めないし、いざ読みたいとき手元になかったりするし、お風呂でも読んでるのでしわしわになっています。しわしわなるのは、あまり気にしないけど。

iPadで読みやすいようにチューニング

スキャンサービスの会社を選ぶ際、PDFチューニングサービスの有無はけっこう重要だと思う。私が探したときは、BOOKSCANスキャポンしかチューニングがなかったようだったので、そのふたつから検討した(そしてその当時比較して納期の早かったスキャポンを選んだ。BOOKSCANのほうがクオリティ高いらしいけど、比べてないのでわからない)。
チューニングはブラウザ上で行える。設定してしばらくすると、チューニングされたPDFがダウンロードできるようになっている感じ。「iPad用」という、ワンクリックで済む設定があるが、それだと粗くなりすぎるので、自分好みに設定する。解像度を少しだけ落とし、文字をクッキリさせ、カラーである必要が無いものはグレー変換し、グレー強化を行う、など。ちょっと濃すぎたかなー、ちょっと文字が太くなっちゃったなー、というぐらいが、iPadでは読みやすいと思う。

職業柄、Adobe Acrobatも持っているので、もしや自力でチューニングしたほうが、軽くきれいに、手早くできるのかもと試してみたが、Acrobatは不可解なところが多く、諦めました。Acrobatマスターの方いたら教えてほしい。

自炊PDFを読むのに適したリーダーで読もう

もちろん、iBooksでもPDFは開けるのだが、これが重い。画像ではなくテキストデータが埋め込まれた軽い美しいPDFでさえ重く感じるのだから、自炊PDFが快適なわけがなかった。
そしてiBooksもそうだが、外国産のPDFリーダーは、たいてい縦書きの書籍PDFについて考慮していないので、右から開いてページをめくることができない。

なので、別途自炊PDFを快適に読書できるアプリを探すのが良い。
私は、「Bookman」や「CloudReaders」を使っている。
PDF化をした当時読んだ比較記事に、「Bookman」がPDF読み込みがすごく早いと書いてあったので使い始めた。が、iPadがRetinaになったときに、表示にラグが出るようになって、「CloudReaders」を使い始め、最近はもっぱらCloudReaders。さきほどBookmanを試したらラグなく表示されるようになっていたのでまた戻るかも。
使い勝手がちょこちょこ違うので後は好きずきだと思われる。
どちらも、まともに自炊PDFが表示でき(重いファイルもすぐに開ける、ページめくっても表示にラグがない、左開き・右開き両方に対応している)、かつ、データから書き出されたPDFの文字も美しく表示できる。優秀なアプリたちである。
よく見ると、文字の美しさが違うのでそれで選ぶのも良いだろう。

ほかにも、自炊PDFが読める素敵iPadアプリがあるに違いない。
試してみたいので存知の方はぜひ教えてください。

今後、書籍の購入・管理をどうするか

蔵書をスキャンサービスに出してPDF化するのは良いとして、今後本を買うときどうするの、って疑問がある。
私は「通販直送」というプランに入っていて、月に5冊までAmazonから直送でスキャポンに送ってPDF化している。

増えていくPDFファイルたちの管理はまだうまくできていない。
はじめは書籍名や著者、ページ数などを表にして管理していたのだけど、途中で放置してしまっている。でも目につくところに物体がないと、何を買ったか、どれだけ積ん読があるか、けっこう忘れてしまうものだから、ざっと眺められる場所がほしい。

ブクログとかに、まめに登録するのが良いのか。どこの電子書籍ストアで買ったのか、自炊本なのか、紙なのか、とかを「非公開メモ」に書いておく感じか。今までは、読んだ本の一部しかブクログ登録していなかったけど、今後買った本は登録してみるか。
どうやら登録したデータをCSVファイルでエクスポートもできるらしい。インポートだけじゃないのがすばらしい。ああ、やめることもできるんだ、って思えるのは使い始めるハードルを下げますなあ。
やってみようー。