読んだ:起業のファイナンス(磯崎 哲也著)

ここ1、2ヶ月で読んでいた本を忘れないうちにまとめておこうと思い、あれとこれとー、と書いてたら長くなったので、1冊ずつにする。
まずはこれ。1月の中旬あたりに読んだ。

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと磯崎 哲也(著)
個人的おすすめ度:★★★★★

非常に面白かった。
わたしは既に社長業をしているから、「今さらどうして起業の本?」と思う方もいるかもしれないが、これは普通に法人化するための会計のあれこれが書かれた本ではない。いわゆるスタートアップ(ベンチャー企業)として起業をし、上場やバイアウトを目指す人たちのための本である。

起業したり投資を受けたり上場したりバイアウトしたり、つまり成長していく際、資本政策をどのようにすればよいのかを、わかりやすく、ときに生々しく、ときに軽い口語まじりで書かれている。読み物のような感じで、いわゆる教科書的ではなく、現場感満載なところが素敵だ。
本の中で数式が出てくる部分があるのだけどそこは読み飛ばしたことを白状しておく。

新しいサービスやらアプリを作って、どこまで行けるのかわからないけども、真剣にやってみようという方は、興味深く読める本だと思う。本気であればあるほど起業前に読んでおいたほうがいい。既に起業済みとしても、投資や融資を受けるつもりならばすぐに読んだほうがいい。
ちなみに、私がこの本を読んだ理由は、日本のそのあたりのリアルな事情を知っておきたかったから。今のところうちの会社はWeb制作の受託開発だけをやっているけれども、アプリや仕組み作り方面も始めつつあるので。

日本では現在、上場が(上場中の企業、新規上場の企業、ともに)減っているらしいが、バイアウトがもっと頻繁に起こるようになれば、日本のITまわりももっと活気づいてどんどん面白くなるのだろう。「バイアウト=身売り」というイメージがある人もまだまだ多そうにも思うけども、たとえば研究員だったら自分の発見・開発したものが、高く売れてビッグに素敵に使われると嬉しいじゃないか。そんな気分なのである。

映画「ソーシャル・ネットワーク」を観る前にこれを読むと、投資とか株とかのあたりの話、理解が深まって良いと思う。